本日のテーマは「ボディランゲージ、ノンバーバルスキル」です。

ボディランゲージ、ノンバーバルスキルとは、話す時の表情や身振り、話すスピードなどを使って効果的に聞き手へ話の内容を伝える能力のことです。

今回はその中でも顔の表情の作り方というのをお伝えしていきたいと思います 。

人前で話すときの顔の表情

人前で話すとき、顔の表情というのがとても重要です 。

自分が話している時に「せっかくいい話をしているにも関わらず聞き手に全然響いてないな」、または人の話を聞いていて「高尚な話をされているのになんだか心に響いてこないな。全然感情が伝わってこないな」と感じた経験はありませんか?

そう感じる原因の一つに、話し手が顔の表情を上手く使えていないからというのが考えられます。

顔の表情を自然に作る方法

プライベートの会話では顔の表情を自然に作れる人は多いと思います。でもやっぱり人前に立ってプレゼンテーションをしたり、スピーチをしたりする場面ではなかなか表情を作ることができなくなってしまいますよね。緊張して顔が強張ってしまい、表情を上手く作ることができません。

では、人前に立った時でもきちんと表情が作れるようになるにはどうすればよいのでしょうか?

まず話し手の表情の作り方で最も大切な事は「言葉の内容に顔の表情を合わせる」という事です。

言葉の内容に顔の表情を合わせる

例えば、楽しい話をしているにもかかわらず話し手が眉間に皺を寄せて怒った顔をしていると聞き手は混乱しますよね。これはかなり極端な例でしたが、怒った顔まではいかないにしても、無表情や強張った顔で「今から楽しい話をします」と言われてワクワクして話を聞いてくれる人がいるでしょうか?

聞き手としてはどういう気持ちで話を聞いたらいいんだろうと戸惑ってしまいます。それとは逆に真面目な話をしようとしているにも関わらず、ヘラヘラした顔で話してしまうと、これもまた聞き手を不安な気持ちにさせてしまいます。

聞き手が戸惑ってしまうとそちらに気を取られてしまって、話し手が本来伝えたかった気持ちが伝わらなくなってしまいます。そうならないために「言葉(話)の内容に顔の表情を合わせる」というのがとても重要となってきます。まずはそこを押さえておきましょう。

ではどんな表情を作ればいいのでしょうか?

喜怒哀楽表現

人間が持つさまざまな感情の中で代表的なものに「喜怒哀楽」があります。話し手の表情作りにもこの「喜怒哀楽」を活かしていくと効果的です。

ここからは「喜怒哀楽」に沿って、表情の種類と、その表情を作るためのちょっとしたコツを紹介していきたいと思います。

「喜」の表情

まずは「喜」。喜びです。喜びを表すにはやっぱり笑顔ですよね。生徒さんに話し方を教えている時に「100%の笑顔を作ってください」とお願いすることがあります。皆さんも一度自分なりの100%の笑顔を作ってみてください。できればその笑顔のままで、鏡を見てみましょう

心の底からの笑顔になっているでしょうか?笑顔を作ってもらった時によくいらっしゃるのが「口角はぐっと上がっているけれど、目が全然笑っていない」状態の笑顔です。確かに口角を上げるのは笑顔を作るうえで重要です。ですがせっかく口角が上がっていても目が笑っていないと、少し怖い顔になってしまいます。

では目も笑っているようにみせるにはどうすればいいでしょう。僕がおすすめしているのが目じりを下げてクシャっとさせる事です。有名人でいえば羽生結弦さんや永作博美さんのような笑顔ですね。目じりをクシャっとさせるのがポイントです。

口角をぐっと上げて、反対に目じりを下げると聞き手から見てもちゃんと笑っているようにみえるのでおすすめです。

「楽」の表情

次は「楽」。楽しい表情ですね。楽しい表情は、先ほどの「喜」でお話しした笑顔100%から少し緩める感じです。余裕のある笑顔というとわかりやすいでしょうか。満面の笑みまではいかないけれど、口角を軽く上げた穏やかな顔を表します。

この余裕のある笑顔、「楽」の表情が人前で話す時の基本の表情になります。

前の方でも書きましたが、人前で話すと緊張からどうしても強張った表情になりがちです。そんな時はまず「喜」の100%の笑顔を作ってから、少し表情を緩めて「楽」余裕のある笑顔を作ってみましょう。普段から「喜」の表情から「楽」の表情へ、それからまた「喜」の表情…という風に繰りかえして2種類の笑顔を作る練習をやってみるのも効果的です。慣れてくれば「喜」と「楽」の表情を使いこなせるようになります。是非「楽」の表情を保ったまま人前で話せるようになりましょう。

「怒」の表情

その次は「怒」。怒りを表す表情です。頭にきた話や、イラっとした話をする時には怒った顔で話すと効果的です。どのように表情を作るかというと、眉間に皺を寄せて、少し上目遣いをします。本当は口を閉じて口角を下げるともっと雰囲気が出るのですが、話している最中に口を閉じる事はできないので、眉をひそめて不満や不快感を表しましょう。聞き手の共感を得られやすくなるはずです。

「哀」の表情

次は「哀」ですね。ここでは悲しみと考えます。悲しみを表すには眉根を寄せて、目線は下に向けます。「怒」の時と同じく、口を閉じて口角を下げるといいのですが、話している最中にそれはできないので眉と目線で悲しみや残念さを表現しましょう。オーバーに表現するなら聞き手から少し目線を外して下を見る、それから声のトーンを下げると悲しい気持ちをよりアピールできます。

以上が「喜怒哀楽」を表す表情の作り方となります。この4つ以外にも使うと効果的な表情があります。それが「悔しさ」です。喜怒哀楽には含まれていませんが、スピーチなどでも使う機会があると思います。

「悔」の表情

悔しい表情は、眉間に皺を寄せて歯を食いしばる事で表現できます。ザブングルの加藤さんの有名な「悔しいです!!」の顔ですね。これも話している最中に歯を食いしばる事はできないので、話している途中や、文章の句点部分でこの表情をすると聞き手にも伝わりやすくなります。

表情のコントロール

防衛の笑い

「喜」や「楽」の部分で笑顔について触れましたが、同じ笑顔でも苦笑いといものがあります。笑顔と少し似ていますが全くの別物です。人前で話す時に緊張から顔が強張ってしまう人もいれば、最初から最後まで苦笑いでなんとか乗り切ろうとする人もいますよね。これは防衛の笑いと呼ばれるものです。

人前に立って話すという状況は、たくさんの人の視線を浴びるということです。多くの人の視線を浴びるという状態は人間にとってかなりのストレスであり、恐怖を覚える場面なのです。ストレスや緊張から自然と苦笑いがでてしまうのは本能の仕業で仕方のないことでもあるのです。ですが話し手が緊張してしまうと、聞き手にもその緊張が伝わってしまい、会場全体が緊張感に包まれてしまって、さらに話し手がもっと緊張する…という悪循環に陥ってしまいがちです。

ですので日ごろから「楽」の表情作りを心がけて、緊張する場面でも余裕のある笑顔を作れるように慣らしていきましょう。段々と話しているうちに「あ、緊張して苦笑いになっているな」と気付けるようになります。自分で気付くことができるようになったという事は、冷静に状況判断ができている証拠です。後は練習通りに「楽」の表情を保ちながら話し進めていきましょう。余裕のある笑顔で話せるようになれば、会場の緊張感も自然と和らぎ、お互いに良い雰囲気を作り出す事ができます。

様々な表情の作り方

ここまで「喜怒哀楽」を使って、人前で話す時の表情についてお話ししてきました。

もちろん練習無しに急に話の内容に合わせた表情を作るのは難しいので、事前練習が大切になってくるのですが、なかなか1人ではやりにくいものです。それに、鏡の前では表情を上手く作ることができても、実際話している時にすぐその話に合った表情が作れるのか不安に感じる方もいるかもしれません。

ですので、ある程度鏡の前で表情を作ることができるようになってきたら、次は表情豊かに人の話を聞く練習をしてみましょう。「喜怒哀楽」「悔しい」の表情を使って、人の話を聞くのです。楽しい話なら100%の笑顔で、悔しい話なら話し手と同じように悔しい表情で。実際に人の話を聞くときにこの練習をするのが一番ですが、少し恥ずかしいと思う方はテレビのトーク番組などを見ながら行うといいと思います。

傾聴力の重要性

人の話を聞くのが上手い人というのはこの「喜怒哀楽」や「悔しい」表現が上手いひとでもあるのです。例えば明石家さんまさんや桂文枝さんのような方はこれらの表現がとてもわかりやすいですね。話し手以上にその話の内容に入り込んで感情豊かに話を聞いています

もちろんテレビなのでオーバーな場合もありますが、参考にできる部分も多いと思います。このお二人はトーク番組の司会もされていて、お話しもとても上手ですよね。話し上手な方は聞き上手でもあるのですね。

人の話を聞くときも感情豊かに耳を傾ける、これが自然にできるようになってくれば、自分が話す時も同じように表情をつけて話せるようになってきます。

まとめ

今回は人前で話すときの表情作り、感情豊かに話すコツをお伝えしました。

人前で話す時の基本の表情は「楽」の表情を保つ事。それから自分の感情を相手に伝えたい時は、話の内容に合わせた表情を作ること。そのためにも日ごろから感情表現豊かに人の話を聞くように心がけること。これらを効果的に活用すればプレゼンスキルにより磨きをかけることができます。是非今日から、お伝えした内容を意識して実践してみてください!

投稿者プロフィール

話し方コーチJIN
話し方コーチJIN
東京コミュ塾代表 / 中小企業診断士 / スター講師誕生2022準優勝 / Udemy受講生7,000人以上

4年半の英国駐在中、欧州本社のサプライチェーンマネージャーとしてアジアから欧州全土への輸入販売の責任者となりました。この時のメンバーはそれぞれが個性の強い欧州人。彼らの意見を纏めたり、本社の意向をメンバーに分かりやすく説明するのは至難の業でした。この経験の中で培ったのがコミュニケーションスキルです。もちろん初めは上手くいかず、会議は炎上するはプレゼンは途中で遮られるは困難の連続でした。日本風の「和をもって尊しとなす」という考えは世界では通用しませんでした。そこからコミュニケーションスキルを磨くべく会議では毎回ファシリテーター役を担い、プレゼンの機会は逃さず挑戦しました。そうすることで少しずつコツを掴み、全員が納得出来るような分かりやすい話し方や会議を纏めるファシリテーション技術を身に付けることが出来ました。幅広い経験を基に、講座では経験の中で培った「実践ですぐに使える!」技術を体系的にお伝えします。世界に通用するコミュニケーションスキルを身につけましょう!

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